誰にも頼まれていないのに伊東市の観光地を紹介する謎の小説
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伊東駅死番線 第四章 龍
ばたばたと道路へ出ると通りかかった乗用車の前に立ちはだかる。
窓から顔を出した中年男性、いやな顔をしたが、ふと横を見て、目を大きくした。私も、見たくはないけど振り向いてみる。
龍だ。初めて見た。そりゃそうだが。
はるか頭上に髭を生やした龍の顔。鋭い角を頭に生やし、巨大な目がこちらを睨む。大きく裂けた真っ赤な口からは鋭い牙が覗く。青光りする鱗に覆われた長い胴をくねらせ、四本の脚には何でも切り裂きそうな爪が光っている。
龍
一斉に三人でお守りを取り出す。一瞬、龍がでかい図体のくせに怯えた顔をする。
「早く乗せて!」
車のドアのロックが解除され、私達は転がり込んだ。
運転手さん、理由も聞かず、聞く余裕もなく、車を急発進させた。車は西へ。
ぐおおおおお、と龍が吠えるのが聞こえる。びゅうううう、と風が吹きまくる。空には黒雲が漂ってきた。いつ殺されるかと皆で青い顔。
「な、何なんだよあれ」
「後で説明します。今は急いで!」
ざばあ、と土砂降りの雨が降ってきた。横殴りに車の窓に叩きつける。ついさっきまで晴れていたのに、今日は台風の予報なんてあったっけ?ごろごろと雷まで唸りだした。前も見えないような豪雨の中を車は進む。たとえ龍に殺されなくても事故に会いそうだ。
猛スピードでロワジール伊豆一碧を通りすぎた頃、龍の声がやみ、あっけなく風も雨もやんだ。
恐る恐る後を見ると、龍が居なくなっている。あれ、何で?

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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