誰にも頼まれていないのに伊東市の観光地を紹介する謎の小説
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伊東駅死番線 第六章 ニュース
一階市民課の前の大型テレビ。市民はもちろん、職員達も仕事どころではなくテレビのニュースを見つめている。
素人が映した動画らしい。一碧湖畔の木々の向こうから10両編成のスーパービュー踊り子が現れた。…どうでもいいけど、大池の赤牛さん、鉄道マニアなん?
「UFO?」「電車だ!」というカップルらしい声が入る。
スーパービュー踊り子
白と青緑の車体が段々大きくなる。一号車の展望席で立ち上がって何か喚いているらしい乗客が映った。だが、電車はためらいもせずに湖水に飛びこむ。ばしゃああん!という音と共にカメラにも水滴がかかる。
「きゃあ!」「うおっ!」という声。
最後のダブルデッカーと展望車が水の中に沈むまで、あっと言う間だった。やがて浮かんできた大量の死体にはモザイクがかけられていた。
「…一碧湖に上がった死体は、本日、伊東駅から電車と共に消えた乗客と一致しました。わずかに残った生存者達は、『伊東駅四番線には乗るな』などと意味不明なことを口走っています」
「今日も同じ手で人をさらってるの?」
「明日も明後日もさらうつもりでしょうね」腕組みをしてテレビを睨みつける百合さん。
「…昨日消えたぶらんぽ電車との関連を調べています」
職員達がひそひそ話しながら私達の方を見る。
「…なお、先だって伊東市の妖怪退治をした美女三人がぶらんぽ電車に乗っていたという情報もあり…」
正確には、美女二人及び大したことのない容姿の私ですが。
「…今回の事件の解決にも期待がかかります」
「なんか勝手に期待されちゃってるよぉ。どーするぅ?」口をとがらせる美香。
「うーん」これは市役所観光課職員の職務の範疇なのか?市長さん、特別手当ください。
「赤牛は水の中…ちょっと、思いついたわ。またお世話になる方が必要ね」
百合さん一人に任せれば何でも退治できる気がしないでもない。

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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