誰にも頼まれていないのに伊東市の観光地を紹介する謎の小説
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伊東駅死番線 第九章 一碧湖神社
一碧湖西岸、一碧湖神社の白い鳥居の前にはまだ夥しい数の遺体が散乱していた。紅葉広場が紅葉ではなく血で赤く染まった。検死と回収作業が進んでいる。遺体には取り立てて食われた痕も無いから、赤牛は食べるのが目的で人々を殺したわけでは無さそうだ。数百年前に人間たちに封じ込められた恨みを晴らすのが動機か。
横を見ると美香が手を合わせて拝んでいた。白い頬に涙が伝っている。普段は天然でも、こういう純真な心を持っている子だ。
「もうこれ以上誰も死なないから、安心して」と慰めると、
「でもね」と百合さんが、
「光栄寺の日広上人は、七日七晩お経を唱えたのよね。今回は一瞬お守りを掲げただけ。またいつ出てくるか…」
遺体を見て嘆く遺族たち、そのそばを沈んだ気持ちで歩いていった。
ああ、小さな赤いワンピースの女の子、あんな小さい子まで亡くなったのか。そばで泣いているのはそのお婆さん?
ふと、遺体を見て泣いていたお婆さん、私達を見上げて顔がほころんだ。
「あなた達かね、化け物を退治してくれたのは」
「え、ええ」
「ありがとねえ、良かったよお、あなたたちが伊東に居ていれて」涙の痕の残った顔、その顔をしわくちゃにして、お婆さん微笑んで…私なんかを拝まなくても…泣けてきちゃうから…
大好きなこの街、少しでも良くなるように、これからも頑張っていこう。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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