誰にも頼まれていないのに伊東市の観光地を紹介する謎の小説
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伊東妖怪伝 第一章 ぶらんぽ
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「ぶらんぽって何?」と私、新井魔魅。おバカなスポーツ少女で不良公務員。
「ぶらぶらお散歩の略だよぉ」とほんわか微笑むのは私の親友、松原美香。可愛いけど天然。私と違い大人しい性格だが、なぜか気が合う。
「とにかく私達としては伊東市中をお散歩して取材しなきゃならないみたい」とわが観光課の先輩、宇佐美百合さん。美人で頭脳明晰。いつも冷静で唯一頼れる同僚、そして私と美香の所属する市役所バレー部の部長。
 地元の高校のバレー部だった私と美香は、市役所のバレー部が強いという理由だけで就職先に市役所を選択。何とか滑り込みで採用された。四月のオリエンテーション終了後、観光しながら仕事が出来るならいいじゃん、と軽い気持ちで観光課を希望したのが運の尽き。やたらと肉体労働の多い課である。
 やっと仕事に慣れてきて今はもう八月。伊東市最大のイベント按針祭を控え、観光課の職員は私達以外みんな出払っている。こんな時期に、伊東中を駆け回って『ぶらんぽ』とかいう妙な名前の観光パンフレットを作れという。何か変だ。
「露骨に嫌な顔をするんじゃない」と自分が嫌そうな顔をして注意する赤沢弘幸課長。伊東ネイティブだが外国人のように彫りが深く赤ら顔。
「まず第一回目の特集は、伊東の妖怪特集」とため息まじりの百合さん。
「は?誰がそんなことを考えたんですか」と問うと
「私だが」と妖怪じみた顔の課長。
「…失礼しました」
 妖怪ねぇ…私は観光課の室内を見回した。市役所四階、課長の席の背後の窓から母校の東小学校が見える。今時、小学生も妖怪なんて信じないだろう。青いパーティションで区切られた現代的な職場には、幾台もデスクトップやノートのパソコンが置かれている。PCでお仕事する時代に妖怪?
「そういうわけで、新井君と松原君は仏現寺へ」
 ああ…あれの取材ね。

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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