誰にも頼まれていないのに伊東市の観光地を紹介する謎の小説
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
伊東沖海戦 第四章 まないた岩
なすすべもなく立ちすくんでいると、船は帆船にはありえない速度で走り川奈崎を回った。更に、いつか海野さんのボートに乗り海坊主と出会った城ヶ崎を回りこむ。城ケ崎
皮肉だが快適な船旅だ。伊豆海洋公園を過ぎた時、ポケットに入れたお守りが服の上からでも分かるほどに光り出した。
「な、何これ?」
ふと見ると美香と百合さんのお守りも光っている。「あれぇ」「何かしら」
「また何か小賢しい真似をし出したか?」と眉をひそめる天狗。いや私達は何もしてないですが。
ふわっと三人の体が浮いた。そのまま急速に海岸の方に引き寄せられる。
「うわああああ?」空が青いな、死にたくないな…
海に叩き落とされるか、断崖にぶち当てられるか。と思っていると、ふわりと着陸したのは岸壁のそばの石畳のような岩盤だった。
「ふわぁ」安堵のため息の美香。
「ここ、どこなの?」と見回すと
「日蓮のまないた岩ね」と岸壁を見上げる百合さん。
かつて日蓮が立正安国論を著し、当時の最高権力者である北条時頼に提出した。法華経以外の諸宗がはびこるために災害が起こるのだという立正安国論の内容を、禅宗を信仰する時頼は鎌倉幕府への批判と見なした。伊豆への流罪と決まった日蓮、伊東沖のまないた岩に置き去りにされた。事実上の死罪だ。だが、日蓮が一心に南無妙法蓮華経と唱える声を、伊東の漁師弥三郎が聞きつける。弥三郎は日蓮を洞窟に匿い、日蓮は生きながらえた。
私達の持っているお守りは、日蓮宗本山である仏現寺のもの…
「きゃあ、日蓮ちゃん大好きぃ」と能天気な美香。
「そのうち罰当たるよ、美香…」
海野さんのボートがサンブエナベンツーラ号とまないた岩の間に割って入った。
「また燃やされたいかぁ!」と雄叫びを上げガソリンタンクを持ち上げる海野さん。
「ふふ…今日のところは引き上げるか」天狗が苦笑、サンブエナベンツーラ号は海中へ、ざばざばと消えていく。天狗さん、海中で息できるのかしらん。
「はあ、助かった」
「よかったねぇ」
というか日蓮さん、どうせなら仏現寺まで飛ばしてくれれば私達の職場の伊東市役所はすぐ隣だったのに。

小説 ブログランキングへブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
「今日は何にも網にかかりゃせん」 粗末な着物の漁師がぶつぶつ言いながら、粗末な小舟をふらふらと操り、富戸の海をさまよっている。空の天気は非常に良いが、漁師の機嫌は非常に
2013/02/03(日) 22:33:26 | 伊東市未公認小説(笑)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。