誰にも頼まれていないのに伊東市の観光地を紹介する謎の小説
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伊東沖海戦 第六章 伊東祐親
以前、工藤祐経の怨霊が出た時、あの時もこんな風に川沿いを走っていた。そして音無神社と最誓寺を工藤祐経が破壊した時、怒った八重姫が美香に乗り移って…結局、祐経の怨霊は何とか退治できた。今回もそんな風にうまくいくかどうか。
息を切らして三人、音無神社と最誓寺の跡地に辿り着いた。倒れている巨木、鳥居、墓石。さすがに道路に散らばったものは整理したようだが、ほぼあの時の惨状のまま、碌に片づけられていない。
「八重姫ちゃん、いる?また化け物が出たの!伊東の街を救って!」
いつも天然の美香が必死の形相で訴える。事情を知らない人が見たら、随分おかしな子だと思うだろう。私と百合さんが何も言えず見つめる。それはそうと八重姫様にちゃん付けはいい加減にやめなさいって。
「ふふ…娘、わしでは不足か」と背後で厳かな太い声がした。三人、ぎくっと驚いて振り向く。
堂々とした鎧姿、光る兜をかぶった渋い年配の侍が、腕を組みにやにや笑いながら立っている。物見塚公園の銅像とそっくりな…
「ま、まさか、伊東祐親…様…」「え、八重姫ちゃんのパパ?」
伊東祐親。平安時代末期、貿易や製鉄で伊東を大いに栄えさせた豪族、そして八重姫の父。
「いや無理に様なぞ付けてくれんでもよいがな、先だっては八重姫が随分と世話になったようじゃの。今日はわしが、南蛮の船など蹴散らしてくれるわ!」いや、正体は日本の妖怪なんですけどね。
松川
不敵に微笑む伊東祐親の背後の松川に、和船の大艦隊が現れた。うおおおおお、と拳を上げ雄叫びを挙げるあまたの武士達。
「ああ…これは、伊東水軍!」「これなら勝てるかも!」「良かったねぇ」
「おうさ、目にもの見せてくれようぞ!」
威勢のいい爺さんですこと。

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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