誰にも頼まれていないのに伊東市の観光地を紹介する謎の小説
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伊東妖怪伝 最終章 按針祭
どうやって街まで帰ろう、と思ったが、結局消防車に乗せてもらって帰ることに。
街に戻った後、長時間に及ぶ警察の事情聴取にいらいらして、美香が「花火見られなくなるよぉ」と駄々をこね出した。苦笑した警察官がなんとか早めに切り上げてくれた。
午後八時前、ふれあいセンターの横の広場で待ち合わせ。私が行くと、入念にメイクをした百合さんとメイクをしないほうが可愛いのに塗りたくった美香が、浴衣姿で気持ちよさそうに足湯に浸っていた。
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「あら、来たわね」
「待ってたよぉ」
これだけの事件の後なのに、冷静でいられる百合さんと能天気でいられる美香は大したものだ。
揃ってぶらぶらとスクランブル交差点へ。キネマ通りのアーケードからも続々と人がやってくる。いでゆ橋を渡り川沿いの遊歩道へ。川音を聞きながら団扇をあおぎつつ川を下る。もうかなりの人出だ。ちらちらとこちらを見る男の子達が多い。…まあ主に美香と百合さんを見てるんだけど。海岸のバイパスに出たころ、アナウンスが入った。
「本日の花火大会は、離岸堤の花火が一部中止となりました」
「どーしたんだろーねぇ」と不思議そうな顔の美香。…いや、思いきり私達のせいだから。
市長の挨拶やら英語の解説やらはどうでもいい、聞き流す。童心に帰った私、いつも童心のままの美香と一緒に夜店の綿菓子やりんご飴を物色していると、ふと百合さんが呟いた。
「真魅、覚えてる?私達、天狗を燃やしたと思い込んでるけど…死体は確認してないのよね」
「えっ」と見上げた私。ひゅるるるるっ、と最初の花火が上がった。
どかんっ、と轟音と共に花火が百合さんの冷たく美しい顔を照らした。



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